長期投資成功のための6つのステップ

【ステップ2】『株・債券・現物(コモディティ)・為替という金融商品』

 

私たちが毎日見聞きする国債という言葉について、既に知っているところは多いかと思います。
しかし、ここで一度おさらいして、しっかりと理解できるようになりましょう。

 

まずは、株式について。

会社の事業を運営するためには資金が必要です。会社はその資金を調達するために金融機関から融資を受けたり、債券を発行したりとさまざまな手段を用いますが、株式の発行はその資金調達手段のひとつです。一株〜円という形で売られています。

会社が設立された時点では、社長を初めとする役員の数名が発行された株の全てを保有していて、社員や社外の人は買えないという非公開の状態にされています。
 
企業がより多くの株式を発行し、一般投資家からもお金を調達するステージに上がりたいとき、企業は上場します。この上場IPO(Initial profit offering)と呼ぶこともあります。
したがって、私たちが証券口座を通して買えるのは、証券取引所に上場・公開された株式だけということになります。

株式を保有すると、次のようなメリットを得ることが出来ます:
①会社の総資産の増加に比例して、持っている株の価値が上がり、利益が出る。
②発行されている全株式に対して一定以上の割合を買い占めると、会社のオーナーの一人として、経営方針に口を出せるようになる。

デメリットは当然、会社の経営が悪化すれば一株あたりの値段が下がり、自分の資産が目減りしてしまうことです。

アメリカのAppleの株価が2005年から2020年までに200倍になったように、優良企業を見極めて株を保有すれば大きな利益を得られます。

 

次は、債券について。

日常的には国債という形で聞くことが最も多いかもしれませんが、企業も社債という形で発行しています。

債券は、株式と同じで企業が運転資金を集めるための手段のひとつです。
株式と違うのは
①発行された時点でいくら利息をつけて返すか決まっている。
②国や地方自治体も発行できる。

という点です。

簡単に言うと、企業や国が私たちにする借金の手形が債券です。
私たちは将来これだけ増やして返しますという条件を見て、「それなら銀行に置いているより増えて返ってくるから貸そう」と債権を購入して投資するわけですね。

国や企業が破綻、倒産しないかぎり、必ず利息とともに返済されるものですから、株とは違って損をすることがありません。

その代わり、もらえる利息も微々たるものですが、高い企業では年利2%程度の利息をつけてくれます。
しかし、利率が高い分だけ、倒産破綻のリスクもつきまとってきます。爆発して何もかもなくなってしまう可能性がある分、そうならなかった場合の利益も高くなるのです。
とは言っても、社債を発行していて破綻した企業や国などは過去20年で数えられるほどしかありません。

 

最後は現物(コモディティ)について見ていきましょう。

取引所に上場され、日々取引されているのは国や企業が発行するものだけというわけではありません。

一例ですが、スーパーの野菜はその季節の採れ高によって価格が上下しますよね。
そのように、何かの原材料として、国際的に大量に取引されているモノも上場されていて、今やクリック一つで買える投資の対象となっているのです。
代表的なモノ=現物
金・銀・銅・プラチナ・原油・灯油・天然ガス・大豆・とうもろこし・小麦・米・肉
などがあります。

例えば、は世界で発掘されている総量が決まっていて、突然増やそうと思って増やせるものではないので、原料としての需要が高まったときや、貨幣や株の価値が下がりお金の逃し先が必要となったときに主に高騰します。

 

為替
日本ではFX(foreign exchange)の名前で親しまれています。ドル・円、ユーロ・ドル、豪ドル・元など、ある国の通貨で違う国の通貨を買う、あるいは売ることです。

しかし弊社ではFXを特にデイトレードなどの短期で行う取引を推奨しません。為替は1日に数円と大きく動くことがなく、0.1円単位の動きで利益を得るため、トレーダーはレバレッジと呼ばれる元手の何倍も大きな金額での取引を行うことになります。私はこれが投資における自然性から外れていると考えます。

 またFXは世界的にみても、日本でしか流行していません。世界のFXトレーダーの約56%が日本人です。その理由は、日本で最初に投資で大儲けした人がFX専門のデイトレーダーで、続くトレーダーが皆FXで勝った人を真似しようとしたことで、流行に発展したからです。

 では、世界のトッププロからみてFXは投資手法としてどのように位置づけられているのでしょうか? 答えは「数多くある投資手段の一つでしかなく、それのみに固執することは、数多くある他の投資チャンスを無駄にすることである」です。

 そうなのです。株、債券、現物などこれまでに説明してきたものと同じく、一つの投資対象でしかなく、為替の上下だけで利益を得ようとするのは、投資の自由を捨て、わざわざ険しい道に閉じこもることになります。

 

いかがでしたでしょうか?

この四つをおさらいすれば、日々よく耳にする金融の用語にも馴染みやすくなるのではないでしょうか。

特に、株・債券・現物の知識は、投資の6ステップで一番重要な『投資信託』のステップを理解する上での基礎的な知識となります。

さて、それでは長期投資の鍵、『投資信託』に行ってみましょう。

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